災害用やキャンプ用として便利なポータブル電源。
あると便利なのは間違い無いですが、正直いって高価な商品です。
そのため、ポータブル電源を選ぶにあたっては寿命が長いものを選びたいものです。
- ポータブル電源の寿命
- ポータブル電源のサイクル数とは?
- 寿命が長いポータブル電源
- ポータブル電源の寿命を伸ばすコツ
結論は、リン酸鉄リチウムイオン電池搭載モデルを選ぶこと!
寿命の長短は、電池形式が全てです。
また、使い方でも寿命が変わるので、その使い方も知りたいところ。
ポータブル電源歴3年の筆者が、ポータブル電源の寿命について全てレクチャーします。
ポータブル電源の寿命
ポータブル電源の寿命は、リチウムイオン電池の種類によって大きく異なります。
サイクル数という数え方をするのですが、500回から3,500回と最大7倍もの差。
安くない商品ですから、無視できないポイントとなります。
ここからは、リチウムイオン電池の種類、寿命、劣化後どうなるかを解説していきます。
ポータブル電源に使われるリチウムイオン電池の種類と特徴
ポータブル電源に使われている電池はリチウムイオン電池となります。
その中でも、大きく三元系とリン酸鉄に分ける事ができます。
リン酸鉄リチウムイオン電池のデメリットであるサイズや重量の問題は解決されつつあります。
一方で高寿命/高い安全性という大きなメリットがあり、これから選ぶのであればリン酸鉄リチウムイオン電池搭載モデルを選ぶのがベストだといえます。
リン酸鉄リチウムイオン電池
近年、ポータブル電源の主流になりつつあるのがリン酸鉄リチウムイオン電池。
特徴は高寿命と、高い安全性、低い放電率となります。
寿命については、三元系リチウムイオン電池のモデルは500〜1,000サイクルですが、リン酸鉄リチウムイオン電池搭載モデルは2,500回以上と5倍以上となります。
また、放電もしにくく、月間自己放電率は1%未満となり、長期保管にも適します。
ポータブル電源は高価格ですし、災害用などで長期保管が必要なケースが多いので、リン酸鉄リチウムイオン電池のメリットは大きいです。
また、発火するリスクも少ないので安心です。
欠点であった重量やサイズについても徐々に改善されてきており、ポータブル電源の新製品はほとんどリン酸鉄リチウムイオン電池となっているのが最近のトレンドです。
三元系リチウムイオン電池
多くのメーカー/モデルで採用されているのが三元系リチウムイオン電池です。
小型でハイパワーという特徴はありますが、リン酸鉄リチウムイオン電池搭載モデルの小型化/軽量化が進む中、大きなアドバンテージは見つかりません。
寿命が短いだけでなく、事故実例があるのも心配なところ。
これから購入するのであれば、あえて三元系を選ぶメリットは無いといえます。
ポータブル電源の寿命(サイクル数)は500〜2,500回
ポータブル電源の寿命は、年数ではなくサイクル数で表現されます。
寿命(サイクル数)の数え方
バッテリー容量を100%使い切ることを1サイクルといいます。
わかりにくいので例を出して説明します。
・100%充電された状態を起点とする(残量100%)
・75%使用します(残量25%)
・75%充電します(残量100%)
・25%使用します(残量75%)
例ですから、起点は100%でも50%でもいいのですが、わかりやすいので100%としました。
75%使用して、充電した上で、25%使用する。
使用が100%に達する(75% + 25%)ことを1サイクルといいます。
充電回数〇〇回と誤解される事が少なくないので、注意が必要です。
三元系orリン酸化鉄で大きく違う
先に説明した通り、三元系リチウムイオン電池より、リン酸鉄リチウムイオンの方が長寿命となります。
三元系の多くは、500〜1,000回。
リン酸鉄の多くは、2,500〜3,000回以上。
なんと、2.5倍〜5倍も違ってきます。
安い買い物ではないので、より長寿命のリン酸化鉄リチウムイオン電池搭載モデルが魅力的ですね。
ポータブル電源は劣化したらどうなる?
ポータブル電源が寿命とされるサイクル数を超えるとどうなるのでしょうか?
安心してください。即座に全く使えなくなることはありません。
ポータブル電源が劣化すると、あなたがスマートフォン/携帯電話で経験しているのと同様、充電できる容量が減ったり充電時間が長くなります。
段々と使いにくくなっていき、最後には実用に耐えない状態になることが予想されます。
ポータブル電源は安い買い物ではありませんので、長寿命で長く使える製品を選ぶことが大事です。
ポータブル電源主要機種の寿命比較
ここからは、具体的な機種別の寿命(サイクル数)を、容量クラス別に比較します。
先に説明した通り、リン酸鉄リチウムイオン電池と三元系リチウムイオン電池で寿命が大きく異なります。
3,000Wh超クラス
家庭用蓄電池としての用途となる3,000Wh超クラス。
BLUETTIとEcoFlowが参入しています。
両社共にリン酸鉄リチウムイオン電池搭載で、サイクル数も同じ。
かなり高価な買い物となりますので、長寿命は嬉しいですね。
1位: BLUETTI EP500(3,500回)
1位: EcoFlow DELTA Pro(3,500回)
2,000Whクラス
キャンプなどのアウトドアに気軽に持ち運べる限界が2,000Whクラス。主要4社が参入しています。
BLUETTIとANKERはリン酸鉄リチウムイオン搭載となるので、圧倒的に回数が多いです。
Jackery 2000 Proもモデルが新しいので、同社他モデルの倍の1,000回となっています。
1位: BLUETTI AC200MAX(3,500回)
2位: ANKER 767(3,000回)
3位: Jackery 2000 Pro(1,000回)
次点: EcoFlow DELTA Max 2000(800回)
1,500Whクラス
1,500WhクラスにはBLUETTIは参入していません。
EcoFlowとJackeryは三元系、ANKERのみリン酸鉄リチウムイオンとなり、寿命重視であればANKER一択となります。
Anker757の3,000回に対し、二位のEcoFlow DELTA 1600は800回と非常に大きな差なので、注意が必要です。
1位: Anker 757(3,000回)
2位: EcoFlow DELTA MAX 1600(800回)
3位: Jackery 1500(500回)
1,000Whクラス
このクラスは激戦区。
各社2022年8〜9月にかけて最新機種を投入しています。
ラインナップのないBLUETTI以外の3機種の中で、唯一三元系リチウムイオンを採用しているのがJackery 1000 Pro。
同社従来機種の倍となる1,000回となっていますが、EcoFlow、Ankerの3,000回には遠く及びません。
1位: EcoFlow DELTA 2(3,000回)
2位: Anker 555(3,000回)
3位: Jackery 1000 Pro(1,000回)
700Whクラス
700WhクラスはAnkerは参入しておらず、代わりにBLUETTIは参入しています。
EcoFlowはリン酸鉄リチウムイオン搭載のRIVER 2 Proが発表されているものの、未発売。
Jackery 708もモデルがやや古いです。
リン酸鉄リチウムイオンはBLUETTI EB70Sのみとなります。
1位: BLUETTI EB70S(2,500回)
2位: EcoFlow RIVER Pro(800回)
3位: Jackery 708(500回)
400-500Whクラス
このクラスも激戦区。
Jackery/EcoFlow/BLUETTI/Ankerの4社とも製品を投入しています。
Jackeryはモデルが古く、電池も三元系リチウムイオン。
他3機種はリン酸鉄リチウムイオン搭載で、回数は2,500回以上で大差はありません。
1位: EcoFlow RIVER 2 Max(3,000回)
1位: Anker 535(3,000回)
3位: BLUETTI EB55(2,500回)
4位: Jackery 400(500回)
200Wh-300Whクラス
各社のエントリーモデルが揃う200Wh〜300Whクラス。
こちらも、EcoFlowが新型のRiver 2を投入し、Jackery以外はリン酸鉄リチウムイオン搭載となりました。
3社の寿命は大きな差がなく、2,500回以上となります。
1位: EcoFlow RIVER 2(3,000回)
1位: Anker 521(3,000回)
3位: BLUETTI EB3A(2,500回)
次点: Jackery 240(500回)
ポータブル電源の寿命を伸ばすコツ
何度も書いていますが、ポータブル電源は高価です。
そのポータブル電源は、少しでも長いこと使いたいですよね?
ポータブル電源の寿命を伸ばすコツについて、解説していきます。
高温多湿/低温を避ける
ポータブル電源に使われるリチウムイオン電池は、暑さと寒さに弱いという特性があります。
特に熱には弱く、劣化を加速させる要因となるので、直射日光は厳禁。真夏の車内での保管も避けましょう。
また、気温が低すぎる場合も、電池内の内部抵抗や過電圧が増加するため、電池の使用時間が短くなります。
ポータブル電源の寿命を伸ばすためには、電池にやさしい使い方。高温多湿と低温を避けましょう。
「パススルー」を避ける
パススルーとは、ポータブル電源を充電しながら、電気をとって電化製品を動かすことです。
充電しながら電気を使うことはできますが、リチウムイオン電池に大きな負荷がかかり、電池は劣化します。
ソーラーパネルを使用しているときも同様です。
災害時などで仕方がないケースもありますが、寿命が短くなることは理解しておきましょう。
満充電/空充電を避け60〜80%の残量で保管する
スマホでも言われていますが、空充電状態と満充電状態は避けましょう。
特に、0%になってしまった場合は、再充電できなくなる可能性があります。
私も、Jackery 1500で充電をゼロにして、故障させたことがあります。
再充電できなくなるくらいなら、0%にならないで欲しいのですが。。。
ともかく、満充電と空充電は避ける必要がありますが、災害時の備えを考えると80%程度がベストでしょう。
ポータブル電源を安く買うには?
ポータブル電源は高価な商品ですので、少しでも安く買いたいですよね?
基本的にネットでしか買えない商品ですので、安く買うためには、サイト間の比較が重要。
ただ、Amazon、楽天、Yahoo、公式サイトとたくさんあるので、比較するのはかなり面倒なんです。
ご安心ください。私が比較しています。
毎日更新で最新情報を出していますので、こちらから確認してください。
比較するだけで、数万円は節約できます。
まとめ
ポータブル電源の寿命について解説しました。
- リン酸鉄リチウムイオン電池搭載モデルを選ぶ
- 高温多湿/低音を避ける
- パススルーを避ける
- 60〜80%の残量で保管する
高価なポータブル電源ですから、できるだけ長寿命のものを大事に使うに限ります。
また、安く買えればなおよしです。
この記事を通して、あなたが最適なポータブル電源と出会えたら嬉しいです。
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